差押えって何?
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差押えは拒否できるの?
差押えは拒否できない!!
結論から言うと、差押えを拒否することはできません。
差押えとは、捜査機関が物の占有を強制的に取得する処分です。
差押えは捜索とセットで行われることが多いです。
捜索とは、場所・物・人の身体に対して、物・人の発見を目的として行われる強制の処分(俗にいう家宅捜索)です。
警察官や検察官が捜索・差押えを行うためには、裁判所の令状が必要です。
そして、裁判所の令状が発付された以上、これに基づく処分を拒否することはできません。
例外として、裁判所の令状によらずに捜索・差押えが行われる場合があります。
逮捕に伴って捜索・差押えが行われる場合がこれにあたります。
もっとも、逮捕に伴う差押えであっても強制の処分であることに変わりはなく、拒否することができません。
したがって、いずれにしても差押えを拒否することはできないということになります。
仮に、捜査機関の適法な捜索・差押えに抵抗したり、妨害するようなことがあれば、捜査の対象となっている罪名と別に公務執行妨害罪が成立してしまう可能性があります。
ある日突然警察が家に来たら、、、
捜索・差押えは、原則として令状に基づいて行われなければなりません。
警察官や検察官は、必ず令状を見せてその内容を読み上げてから捜索・差押えを開始します。
突然のことでパニックになっているかもしれませんが、このときに令状の内容をしっかりと確認しましょう。
警察官や検察官が令状を見せてくれない場合は、令状を見せるよう求めましょう。
何でもかんでも差押えできるわけではない!
差押えは拒否することができません。
とはいえ、警察官や検察官が何から何まで差し押さえることができるということではありません。
捜索・差押えを行うための令状には、差し押さえるべき物を記載しなければならないとされており、事件と無関係な物まで差し押さえることは許されません。
もっとも、令状に具体的な物を挙げた上で、「その他本件に関係ありと思料される一切の文書及び物件」というざっくりとした記載をすることもできると考えられています。
したがって、具体的に記載のある物以外でも差押えを受ける可能性はあります。
事前にできることってあるの?
捜索には予兆がある!?
差押えは捜索とセットで行われることが多いですが、差押えの前提として行われる捜索は、ある日突然予告なしに行われる事がほとんどです。
とはいえ、捜索には何かしらの予兆があることが多いです。
警察官や検察官は、捜索を実施する前に一定の捜査をして証拠を集めています。
例えば、被疑者に任意同行を求めたり、関係者の事情聴取をしたりしていることがあります。
このような捜査の動きを手がかりにして、その後に捜索を受けることを予測できる場合があります。
警察への適切な対応
捜索・差押えは、財産権やプライバシーを侵害する強制の処分です。
もしもあなたの自宅に何人もの警察官が来て捜索すると、近隣の住民にあなたが捜査の対象となっていることが知られてしまうおそれがあります。
ですから、できれば捜索を受けることのないように適切な対応をする必要があります。
捜索・差押えは、警察官や検察官が証拠を保全するために行うものです。
したがって、任意同行、任意出頭に応じ、取調べにも協力的な態度を示すことは重要でしょう。
疑われている事実に間違いがない場合には、事実を認めて被害者と示談するとか、警察や検察に証拠を任意に提出する等して、捜索を避けることができる場合もあります。
早期に弁護士に相談して対策
捜索には何らかの予兆があることが多く、捜索・差押えが行われる前に適切な対応がとれるかがポイントです。
しかし、任意同行等、事情聴取への対応や被害者との示談を専門知識をもっていない本人が自力で進めるのは難しいでしょう。
犯罪の疑いをかけられた場合には、なるべく早く弁護士に相談し、その後の対応策についてアドバイスを受けておくことをおすすめします。
差し押えられた物は返してもらえるの?
差し押さえられた物は、返還される場合とされない場合があります。
返還される場合(還付)
差押えによって取得した物は、押収物として留置・保管されます。
そして、押収物の持ち主や保管していた人には押収品の目録が渡されます。
この押収物について、留置の必要がなくなった場合は元の持ち主等に還付しなければなりません。
還付するかどうかについては、原則として警察や検察が判断しますが、持ち主等の側から還付を受けられないかを警察や検察に相談することはできます。
留置の必要がまったくなくなったわけではないけれども、持ち主等から請求があって、一時的に返しても支障がないと思われる場合、仮の還付もできます。
起訴後は、被告人・弁護人が押収物を裁判の準備のためになるべく利用することができるように、検察官は還付・仮還付の活用を考慮しなければならないとされています。
もっとも、証拠として裁判所に提出される物については、裁判が終わるまで返還されないこともあります。
返還されない場合
押収物の中には、本人に返還されないものもあります。
没収される場合
押収物が刑法の規定(刑法19条)により没収される場合があります。下に例を挙げておきます。
その物の存在が犯罪行為の不可欠の要素となっている物
例)偽造文書行使罪における偽造文書
賄賂罪における賄賂
わいせつ物の頒布・陳列・有償頒布目的所持罪におけるわいせつ物
薬物犯罪における薬物
犯罪行為のために使用され、又は使用する目的で用意したものの、実際には使用しなかった物
例)殺人行為に用いられた凶器
文書偽造に用いられた偽造印
犯罪行為によって存在するに至った物、犯罪行為によって犯人が取得したもの、犯罪行為をしたことの対価・報酬として得た物
例)通貨偽造罪における偽造通貨
文書偽造罪における偽造文書
恐喝によって得た契約書
賄賂として貸付を受けた現金
殺人を請け負った場合の報酬金
上記3つの場合の物の対価として得た物
例)盗品を処分してその対価として得た物
窃盗犯人が盗んだ現金で買った物
被害者に還付される場合
被害者に返すべきことが明らかな盗品等は、被害者に還付します。
まとめ
警察等の差押えは拒否することができませんが、差押えの前提として行われる捜索がなされる場合には何かしらの予兆があることが多いです。
気がかりな事がある場合には、なるべく早く弁護士に相談して、その後にどのような対応をすればいいかアドバイスを受けましょう。
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